第13回 鎌倉歌壇さきがけ源実朝公顕彰歌会 報告  

    鎌倉歌壇と共催の歌会が、今年も11月30日(金)午後1時から鎌倉生涯学習センターホールで行われました。
 同人会、歌壇が協力して会場の準備を行い、石川洋一・鎌倉歌壇幹事の総合司会で定刻に始めることができました。
 先ず、大下一真・鎌倉歌壇会長と富岡幸一郎・鎌倉同人会理事長の開会の挨拶があり、続いて、第一部の講演に移りまし
 た。
  講演は、歌人・松平盟子氏の「戦後女性歌人の半世紀」。戦後70年を経て、女性をめぐる社会状況は大きく変わり、
 女性が詠む短歌もおのずと変貌してきました。戦後すぐ、歌誌の創刊、復刊が続き、そこに女性も積極的に参加、
 その後の前衛短歌の時代を経て今日に至るまでの女性歌人の歌を取り上げて、半世紀の流れを明らかにする、大変興味
 深いお話でした。
   第二部の歌会は、例年のように1首1首に丁寧な講評が行われました。講評者は、大下一真、香山静子・鎌倉歌壇副
 会長、木村雅子・鎌倉歌壇幹事、津金規雄・鎌倉歌壇幹事、松平盟子の各氏、司会は本多順子氏・鎌倉歌壇幹事で、2時
 間があっという間に過ぎて行きました。
  引き続いて選者賞、同人会賞の発表があり、香山・鎌倉歌壇副会長の閉会の辞で無事に終了。
 その後、ステージで選者より各受賞者に賞状と賞品が手渡されました。
  今回の投稿歌は162首、当日の参加者は123名でした。 
      
       鎌倉歌壇会長挨拶       鎌倉同人会理事長挨拶     松平盟子氏講演


    

選者紹介 大下一真氏    香山静子氏      木村雅子氏      松平盟子氏       津金規雄氏
 各賞は以下の通りです。

   大下一真選者賞   硝子戸に闇を背負へる守宮ゐて星のかたちに指ひらきをり  川田 茂
  くひしばる噛み砕くなど荒々しき歯ぢから失せて老い盛りなり  河北笑子
  香山静子選者賞  いづれ終るいのちを持ちて水族館にイルカとわれがガラスを隔つ  平塚恵子
  石蕗に点されし斑 星と言ひ蛍と言ひしかの人は居ず  藤原こずえ
  木村雅子選者賞   亡姑(はは)に似た人が過ぎゆき亡父(ちち)に会う彼岸のような                                                       午後のわが町  阿部容子
  縮緬の母の着物を染め直しわれの婚儀の支度調ふ   林 彰子
  前川佐重郎選者賞    硝子戸に闇を背負へる守宮ゐて星のかたちに指ひらきをり   川田 茂
  逆上がり繰り返す児よ君の見る空はなにいろ夢はなにいろ  若月圭子
  松平盟子選者賞   ガムテープに満身創痍のわが辞典崩れゆく日はわが身といずれ  飯塚千枝
  踏切を電車通過す足踏みをしてゐし神輿再び気負ふ  井鍋幸子
  鎌倉同人会賞   この世から少し食み出す曼殊沙華うしろの正面だあれも居らず  由田欣一
  ゆふぐれに迎へ火たけばゆるゆると老いの自転車過ぎりゆくなり  後藤惠市

  入賞者の皆さん
              

              

            
     


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