第14回 鎌倉歌壇さきがけ源実朝公顕彰歌会 報告  

    鎌倉歌壇と共催の歌会が、今年も1129日(金)午後1時から鎌倉婦人子供会館で行われました。
  天候にも恵まれ、会場はほぼ満席、84名の参加があり、石川洋一・鎌倉歌壇幹事の総合司会で定刻通りに開会しました。
  先ず、大下一真・鎌倉歌壇会長と齋藤俊英・鎌倉同人会常務理事の開会の挨拶があり、続いて、第一部の講演に移りました
    講演は、歌人・藤島秀憲氏の「ユーモアと短歌の現在」。斎藤茂吉の「活動をやめて午前より臥(ふ)すときに人の来
 (きた)るは至極(しごく)害がある」から、2018年現代歌人協会賞を受賞した山下翔の「卒業式で読みし答辞をここでも
  またほめられてをり七年経ちぬ」まで、おもわず笑ってしまうような歌をたくさんあげながら、それぞれの歌のおかしさの
  裏にあるかなしみ、さみしさ、怒りのような感情も読み取れるなど、短歌の表現の深さを、分かりやすく話されました。
   
二部の歌会は、本多順子・鎌倉歌壇幹事の司会で始められました。初めに本多氏から、会場の婦人子供会館の歴史と、
  俳人・高浜虚子の辞世の句「春の山屍をうめて空しかり」はこの会館での句会の折に作られたことなどが紹介されました。

   今回の投稿歌は164首。大下一真、香山静子、木村雅子、津金規雄、藤島秀憲の各選者から、1首1首に丁寧な講評があり、            参加者は真剣に聞き入っていました。


     

                      鎌倉歌壇会長挨拶      鎌倉同人会常務理事挨拶     藤島秀憲氏講演


     

 選者紹介 大下一真氏    香山静子氏      木村雅子氏      藤島秀憲氏       津金規雄氏
最後に選者賞、同人会賞の発表と授賞が行われ、同人会賞は齋藤同人会常務理事から手渡されました。授賞の歌は以下の通りです。
   大下一真選者賞  段葛弁慶殿に一度だけ六方踏んで飛んでもらおう  中村 齊
 気が付けば正座してをり幾枚か洗濯物を畳まんとして  新井秀子
  香山静子選者賞  夏蝶を捕らへむとして少年は青き原野の果てに消えたり  飯田穰壹
 白壁にま直に伸びる藪茗荷の茎ひともとの確かなる影   藤原こずえ
  木村雅子選者賞  家族間無料のスマホに夫を呼び「さっきはごめんお茶にしましょう」  齋藤愛子
 雷鳴にふるへとまらぬ鏡池しろがねの魚しんとうごかず  川田 茂
  津金規雄選者賞   夜の闇を部屋の四隅に追ひやりて洋灯(ランプ)の下に読むミステリー  熊谷宏子
 園丁も三連休らし薔薇どちは欠伸をしたり居眠りしたり

 入江曜子

  藤島秀憲選者賞  夜の闇を部屋の四隅に追ひやりて洋灯(ランプ)の下に読むミステリー  熊谷宏子
 時刻表確かめず来たるバス停に稲を刈りつぐコンバイン見てゐる  岩岡 正子
  鎌倉同人会賞  夏蝶を捕らへむとして少年は青き原野の果てに消えたり  飯田穰壹
 温かきコーヒーにミルク注ぎいれ幾何学模様の男と女  皆川米子

  入賞者の皆さん
           

     

     
     


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