理事長のご挨拶
  幕末維新の荒波を乗り越え、明治という新時代の幕が開き、そして日本の近代化が急速に進み 時代は大正に変わっても、本人の”人間力“は歩みをゆるめることなく、海外へ雄飛することはもとより、国内にも新時代の風が吹き渡っていきました。

 ここ鎌倉は、源頼朝がこの地に幕府を開き、日本の政治・文化の中心として鎌倉の名を世に知らしめてから八百有余年禅宗文化の支えにより、ささやかな農漁村として近代を迎えました。

 その中で今、設立百年を閲した社会貢献団体 鎌倉同人会は、永い歴史を貫き通してきた設立以来の正に人間力、人と人の支え合う力をより結集して、鎌倉という地を世に誇れる町として、そこに住む人は勿論周囲の誰からも愛される町でありたいと願ってきた心を志として、同人会は未来永劫に生き続けなければなりません。
 
 
    理事長 富岡幸一郎
 今、私たち鎌倉同人会は、次なる百年のスタートに立って、先人の遺志をを旨とし、宇宙世代の新時代がいかな変遷を遂げようとも、自然を慈しみ、文化を愛する、心豊かな人間でありたいと心を定め、鎌倉同人会がその先達として鎌倉の地に存在し続けていきたいと願っています。

    山内静夫さん、ありがとうございました。
      
         故 山内静夫さん


   
  鎌倉同人会の理事長を永くされておられた山内静夫さんが、8月15日の朝に96歳でご逝去
 されました。葬儀はコロナ禍でありご身内で行われましたが、本会からは私と斎藤俊英理事が参
 列しました。
  山内さんは大正14年のお生れですから、大正、昭和、平成そして令和の御代を、まさにこの
 国の激動の時代を生きてこられ、小津安二郎監督の名プロデューサーとして松竹で活躍されまし
 た。そして、皆様もご存じのように鎌倉ケーブルテレビ社長、鎌倉同人会理事長、鎌倉文学館長
 などの要職を歴任されてきました。同人会では毎年映画会を開催、多くの名優たちとの対談など
 を披露され、皆様もご記憶にあると思います。

  2015年、平成27年には同人会創立100周年記念事業を実現されました。同人会では一
 昨年の6月に、山内さんが「鎌倉朝日」に連載されていた『谷戸の風』の二冊目の出版刊行のお
 祝いをできました。94歳のお元気なその時のお姿が今、目にうかびます。日本映画と共に歩ま
 れたその人生は、また鎌倉の文化を愛してやまかった一人の市井の文化人としての人生でもあっ
 たと思います。まもなく皆様のお手元届きます同人会の9月の会報でも山内さんのご逝去の報告
 をしましたが、来年度の会報には会員の皆様の声をぜひ寄せていただき、あらためて山内さんを
 追悼いたしたいと思います。
  今は静かに在りし日の山内さんのお姿を偲びたいと思います。
  山内静夫さん、本当にありがとうございました。
         理事長  富岡幸一郎



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